深田 卓(死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90)
1、1957年の『サンデー毎日』死刑特集
私は古本市で死刑に関する本が目につけば買うようにしている。
『サンデー毎日特別号 六十五人の死刑囚 明日なき者の生活記録特集』特価50円とある。1956年3月17日に参議院に死刑廃止法案が上程され、5月10日、11日に参議院法務委員会で公聴会が開かれた。
この特集は、その翌年1957年9月1日発行だ。だから全118ページの死刑特集は、前年の公聴会を踏まえて編集されている。
全国紙の強みで地方記者を動員し、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡など処刑場のある地の記者が取材し執筆していることだ。これまで法律や矯正関連の専門誌を除くと死刑だけで全面特集したのは初めてのことだと思う。
死刑をきちんと特集した雑誌は、その四半世紀後の1983年『伝統と現代』誌の「死刑」特集でまでない。